2013年6月25日火曜日

考えて書く

年々、長文を書くのが苦手になっている学生さん。
『これを何とかしなければ』と思い、ある授業で、考えて書く訓練をしている。
世の中には、大学入学時に考えて書く訓練をすべきとの意見もあるが、そしてそれも必要だとは思うが、新聞記事の感想や要旨を、無目的に書かせたりしてもさほど力にはならない。目的が大事。

その目的は、ゼミが決まる頃に見えてくると思うし、何となく自分が勉強していることがわかり始めるのもその頃だろう。少なくても目的意識が芽生えた頃が書く練習に適していると思う。

考えて書く訓練をしている授業は3年生の講義科目。
7~8年ぐらい前からケーススタディと称して、ケースを与えて計算も課し、その計算結果を自らが判断・解釈する時間を設けている。計算結果は同じであるのが当たり前だが、計算結果をどう判断し解釈するのかは一人一人違って当たり前。

か つて4単位30回の授業ではそのうち5回をケーススタディの時間に充てていたが、現在は15回中3回をこれに充てている。いきおい、説明の時間数が少なく なってしまうのだが、それ以上にケーススタディが大事であると思っているので、窮屈な時間をやり繰りして3回実施している。
そして今日はその2回目だった。

今日の課題はちょっとハードルが高く、受講者は難渋していたようだが、それでもそれなりに書けている学生さんもいれば、クエスチョンマークが5つぐらい付くようなものもあった。

考えて書くためには、与えられた情報をいかにうまく利用できるかがひとつのカギになるし、さらにその情報から推測できることをいかに上手に取り込むことができるかがもうひとつのカギになるだろう。
場合によっては、うまく書こうという意識も大事。

か つてケーススタディを5回実施していたとき、いずれもこちらが唸るような文章を書いてくれた学生さんがいた。毎回、その学生さんが書いた文章を読むのが楽 しみでもあった。何しろ、設定したシチュエーションを踏み外すことなく解答し、こちらが想定していない結末で締めくくっていたり。しかも「作問のここに無 理がある」などと感想まで書いていたのだから読みながら苦笑するしかなかった。その学生さん、今何をしてるかわからないが(少なくてもゼミ生ではなかっ た)、きっと今でもステキな文章を書いているに違いない。
毎回、提出してもらった答案は、コメントを付けて返しているので手許にないのが残念だが、あればきっと今の受講生に見せていたと思う。

本を読め、文章を書けと、言葉でいってもなかなか伝わらない。
現在は、TwitterやLINE、あるいはFacebookなど、短文と絵文字で自分の意思を相手に伝える時代。
そんな時代に、長文を書かせるのは至難の業であることは、同業の諸氏が実感していることであろう。そんな時代だからこそ、うまい文章が書ける人は一目置かれる存在になるだろうし、受講生にはそうした存在になって欲しいと切に思う。

文章がうまくなりたくて。
・・・だから小生もブログを書く。(苦笑)

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