2013年6月16日日曜日

学生対校演劇祭第4章

昨日、今日の2日間、学生対校演劇祭を観劇した。
この演劇祭、近隣の7大学が持ち時間20分の演劇を披露する。入替時間を入れて、7大学一気に観ると、3時間半にもなる。
これはさすがにつらい。
幸いなことに3日の間に各大学3回ずつ公演するので、小生の空いた時間を利用して昨日4大学、今日3大学を観劇した。

統一テーマは『ドキドキ群青ラプソディ-シナモンしなないもん-』

ラプソディだから自由な演劇かな。
いや、テーマとしては「しなないもん」にある。死なないもんである。先日観たのは「短いのん。」。なんだか「もん」「のん」が口癖になりそう。

7大学それぞれに個性的な作・演出だったが、個人的な趣味として劇団宴夢、そして劇団ELEMENTsが好みだったかな。

劇団宴夢は「鮪」。
普通の家庭の夕食。おかずはマグロの刺身。
「いただきます」「ごちそうさま」の意味を息子に教えようとする父親。
そこから海の中に舞台は変わり、息子は鮪役になる。
鮪は泳ぎ続けなければ死んでしまう。仲間の鮪とひたすら泳ぎ続ける。途中、いろいろなエピソードを入れて、最後は釣られてしまう。
そして舞台は食卓へ。
鮪が泳ぎ続けるさまを客席に向かって走り続ける演出は面白かった。
食育がテーマだといって客席を笑わせてくれたが、なかなかよく出来ていた。主役の男子学生は声も良く動きも良かった。

劇団ELEMENTsは「SIN」(罪という意味に取っていいのだろうか)。
何ヶ月も監禁された男。ところどころ記憶を失った女子高生。この二人が同じ部屋に入れられゲームをさせられる。このゲームに勝った方が部屋から脱出できる。
このゲームの主催者は監禁犯。この犯人に操られるようにゲームを繰り広げるかと思いきや、あっさりとゲームは終わる。 しかしそれは女子高生によって仕組まれたゲームであり、女子高生が男を銃殺する。その後、男は自分の父親であると知らされる女子高生。真相を聞かされ嘆き悲しむ女子高生。そして女子高生も犯人に銃殺されてしまう。最後は犯人までも女子高生の身代わりとなった一般人に銃殺される。
とにかく主演の3人は声も良く台詞回しが良かった。結末は少しやり過ぎ感が残ったけれど…。

この演劇祭にはたしか昨年から勤務先の演劇サークルも出演している。
今年も出演してくれた。
終演後、会場の外で少し話をしたが、出演したのは小生が勤める学部以外の学部の女子学生の皆さん。どおりで初めて見る顔ばかり。
ストーリーは若い女性の友情を描いたものだったが、16分ぐらいで終わってしまい、もう少し膨らませても良かったかなと。
そういえば、焼酎のロックを呑む場面。焼酎ロックはビアジョッキでは出ないのが普通だと思うが。(苦笑)

勤務先の演劇サークルを含めて、昨年もそう感じたが、プロとの決定的違いは、大声を張り上げてしゃべる台詞。
どの団体も、大声のシーンは声が割れてほとんど聞き取れない。
これは経験の差というものなのだろう。
思うのは、大声を上げるシーンが多すぎると、観ている側がつらくなるということ。あんまりがなり立てない方がいいんじゃないだろうか。

そしてもうひとつ。
笑いを取るシーンでは、どうしてもテレビのお笑い芸人のコントを連想してしまった。これはプロの演劇でもときどき見られる。どう表現していいのか難しいが、オーバーアクションと大声、間の取り方。ボケとツッコミのコントさながら。
演劇とコントは同じものなのだろうか。悩む。

でも学生さんたちが一所懸命演じる姿はなかなかよろしい。
そして多くの観客が会場を埋めるというのもステキ。
ずっと続けて欲しいものである。


神谷演劇賞対象作品。


一般審査員賞(オーディエンス賞)も特別審査員による最優秀賞も劇団宴夢だったようだ。
自分が好きだった作品は皆さんシンクロしていたらしい。


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