この会には、堅物と思われる委員がいる。いつも仏頂面で辛口のコメントが多い。
今日の委員会でも各自が一通り意見を開陳したところで、追加意見ということで発言。
「だいたいにして、『なるほど』が多すぎる。10回以上いっていた。そもそも『なるほど』というのは、相手の話を聞かないで自分が発言するときに使う言葉だ。」
「目下に『なるほど』といわれるとカチンとくるだろ。あれと同じだ。」
『そ、そんな…』と思いつつ、研究室に戻ってきて早速調べてみる。
なる‐ほど【成程】
[一]〔副〕
(1)なるたけ。できるだけ。
(2)まことに。いかにも。武道伝来記「―宿にありながら踏付けたるしかた」。「―見事だ」
[二]〔感〕合点がいった時、または相手の話に相づちを打つ時に発する語。近世後期では、略して「なある」とも。「―、そうか」[広辞苑第6版]
辞書的意味では相手の話を聞かないときの相づちとは考えられないし、目下から目上にはいってはいけないという意味もくみ取れない。たしかに、[二]の意味の場合、「なるほど、そうか」とは目下が目上にはいわないだろうし、いっては失礼ではあるが…。
ネット上でいろいろ調べてみても、目下が目上にいわない方がいいというような意見もある。
でも、「そもそも『なるほど』というのは、相手の話を聞かないで自分が発言するときに使う言葉」かどうかは、判断に苦しむよなあ。
小生など、目上の人にも気軽に「なるほど」と使っているし、学生さんから「なるほど」といわれてもカチンとは来ない。
ただひとついえそうなのは、1時間にも満たない中で10回も「なるほど」を使うと耳障りな話ではある。相手が一言何かいえば「なるほど」、次に何かいっても「なるほど」では、たしかにそれを聴く側にとっては、耳障りではある。いった本人は無意識だろうし、口癖かもしれないが…。
ああ、日本語は難しいなあ。
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