夜、AMラジオを聴きながら自室の片付けをしていた。
「日本が経済的危機に瀕しているということを考えれば、消費税増税は遅きに失している。エジプトと同じだ。でも税率を上げることを内外に知らせることで、日本は財政問題と闘っていることを知らせる効果はある」と、実に歯切れのいいコメントをするお方。
『この声、どこかで聞いたことあるけどなあ。』
なおも続ける。
「政府が法人税を下げても賃金は上がらない。政策が間違っている。」(ふむふむ)
「政府が企業に直接働きかけても賃金は上がらない。政策が間違っている。」(ホホー)
「マズイのは円安。これを食い止めなければ賃金が上がっても豊かさは実感できない。」(なるほど)
『分かるような気がする。』
「では、どうすれば賃金が上がるでしょうか?」とスタジオのアナウンサー。
「それは、新産業を生み出すこと。これしかない!」(たしかに)
「では、どうすれば新産業を生み出すことができるでしょうか?」とアナ。
「分かりません!」
『レレレ』
「では、どうやって新産業を見付ければいいでしょう?」とスタジオ。
「新産業が成立するためにはいくつもの失敗がある。失敗の中から生き残ったものが新産業になる。産業振興のために規制を緩和することが大事だ。」
電話を通して歯切れ良くコメントするお方は、超有名なエコノミスト(マネタリストかな)だった。
前段の部分は『たしかにそうだ』と頷ける内容だったが、後段は、『それはどうなんだろう?』と思わないでもない。
小生とて妙案があるわけではないので安易に批判はできないが、いくつもの失敗が失業や貧困を生み出すのだし、これが新産業だと確立するまでには相当の時間を要する。それまで待ち続けなければならないというのだろうか。
若者よ、就職などせずに自分で会社を興しなさい、あなたの失敗は国のためになるので、あなたは我慢しなさいということなのだろうか。
ちょっと上から目線のような…。
でも、やっぱりラジオは面白い。
一刀両断の歯切れの良いコメントには,注意しなければいけませんね。法人税減税ひとつとっても一定率以上の賃金アップに対する減税措置であれば効果なしとは言い切れないのではないでしょうか(それが良い政策かどうかは別にして)?
返信削除たしかにラジオを聴くのは面白いですが,話す側に回るととってもおっかない代物ですね。言った言葉に消しゴムなし! (小樽の寅吉)