いたしかゆし【痛し痒(かゆ)し】
搔(か)けば痛いし、搔かねばかゆいしの意。片方をたてれば、他方に差し障りが生ずるという状態で、どうしたらよいか迷うときにいう。どのようにしても結局自分に具合の悪い結果になる。[広辞苑第6版]
インターネットバンキングの話。
ほぼ使っていない(かつて使っていた)銀行からセキュリティカードなるものが送られてきた。
見れば、マトリクス状になりひとつひとつの枠に2ケタのアルファベット・数字が記載してある。
その銀行とインターネット上で取引するときに使うワンタイムパスワードである。
インターネットバンキングを最初に利用したのはスコットランドに滞在していたときである。
初めはサービスがなかったが、途中でインターネットで残高が確認できるようになったとアナウンスがあり、「こりゃ便利」と飛びついた。
彼の地ではいわゆる通帳というものがなく、数ヶ月に1回の割で取引明細書が送付されていた。わずか1年の滞在であるにもかかわらず、入出金がどんな状態かを知るのが4回か5回では心許ない。最初はこれが流儀と割り切っていたが、新しもの好きの小生、インターネットバンキングを始めることにした。
これが便利だったのは、問い合わせがトップページからできたことである。言葉で正しく伝えることは難しくても、文章にすれば、辞書を引きながら文章を作成することもできるし、何より先方のいったことが証拠として残る。これで何度かやりとりをした記憶がある。
その後、日本の銀行でもインターネットバンキングが普及し始め、利用することにためらいはなかった。
しかし、インターネットそれ自体が爆発的に普及し、それに伴って悪さをする輩も出てきた。これに対応するため、銀行側でもあの手この手でセキュリティを強化し始めた。
入出金明細を確認するために、最初は便利だと思って利用していたインターネットバンキングではあったが、IDとログインパスワードを数ヶ月同一にしたままだと、「変えなさい!」といわれるし、IDもパスワードも、それぞれに「安全性が低いので変えなさい!」と叱られるようにもなった。
銀行で記帳しなくてもいいという手軽さで始めたインターネットバンキングだったが、手軽さを追求するとセキュリティ上問題になり、いわれたとおりにセキュリティを強化すると手軽さが失われる。
それでもたまに利用していたが、今回はセキュリティカードである。
銀行側で強制的にワンタイムパスワードをスタンダードにしたわけである。
インターネットバンキングのヘビーユーザならばいざ知らず、小生のように入出金明細を確認するだけのユーザにしてみれば面倒この上ない。
「だから私は使わない」「だったらやめてしまえば?」という声が聞こえてきそうだが、そう簡単には手を引けない。
この先、セキュリティカードを使う機会があるのかどうか分からないが、ここまでやっても悪さをする輩はいなくならないのだろうなぁ。
いっそのこと、世界的にインターネットそれ自体をやめてしまえ!(って、それは困る)
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