昨夜、何気なく見た番組で、秋山徳蔵氏の生涯を紹介していた。
秋山氏は、知る人ぞ知る天皇の料理番であった。その生涯は『天皇の料理番』(杉森久英)を読んで知ったし、堺正章演じるテレビ番組も見た。小生が大学生のときである。
昨夜の番組を見て、『ああ、そうだったな』と思い出したエピソードがたくさんあったが、知らなかったのは敗戦で天皇責任が問われていたとき、「主人を守る」という思いで、進駐してきた米軍将校らに飛び切りの料理を振る舞ったというエピソードである。番組ではそれが功を奏してマッカーサーの「天皇の責任は問えない」 との判断につながったと紹介していた。
もちろん、ことはそんなに簡単なことではないだろうが、それほどの使命感を持って仕事をしていたことには驚かされた。
ところで、『天皇の料理番』が放映されていた頃はバブルへの入口の時代。
世の中が何となく浮かれていた。何となくで思い出したが、この頃に読んだ本が『なんとなく、クリスタル』(田中康夫)。
脚注が400も入っていて、この脚注に出ていたお店を見に行ったり、なけなしのお金をはたいてチョコレートなどを買いに行ったものである。
それから10年後。
バブル崩壊。
そして失われた20年。
最近、バブル景気の時代を経験した世代が蠢きだしているらしい。
これまた昨日のラジオで聴いた話だが、43歳から54歳頃までの世代(アラフォー世代と新人類世代と紹介していたが)で、ゴールド人気なんだそうである。
小生のまわりには、小生を含めてこの世代の人たちがたくさんいる。
でも誰も「ゴールド」とはいっていない。もっとも、小生はこの10年、砂金を探し続けているのだが。(苦笑)
最近、「あの頃」の話題に接すると、どうも過剰に懐かしんでしまう。
トシを取ったということばかりでなく、あの頃をもう一度という思いがそうさせてしまっていると思いたい。
0 件のコメント:
コメントを投稿